IT業界における女性エンジニアの不足

IT業界では全体としてエンジニアが不足しているのは確かですが、特に女性エンジニアの不足が嘆かれています。
IT革命が起きた2000年前後にはエンジニアの大半は男性で、女性エンジニアは1割にも満たない状況がありました。この時期に比べると女性比率は増えてきているものの、企業によって雲泥の差があります。
男女比がほとんど同じ企業もありますが、一般的な傾向としては男性が多くなっています。人数が多い企業ほど男性比率が高い傾向が強く、9割以上が男性エンジニアという現場も少なくありません。
男性エンジニアだけでも良い場合もありますが、女性エンジニアの視点が非常に重要視されるようになってきているのが実情です。

IT業界では、新しいシステムを開発してユーザーに提供するのが一般的です。ユーザーは当然ながら男性も女性もいるので、どちらにとっても使いやすいことが求められます。
特に主婦をターゲットにする場合や、女性比率が高い保育士や看護師などをユーザーとする場合には、女性視点でシステムを開発することが必要です。一般向けの場合にも男女両方の視点が重要なので、男性だけでなく女性のエンジニアがいることが望ましいのは明らかでしょう。
そのため、男性エンジニアばかりになっている現場では、女性エンジニアの獲得が目指されています。女性エンジニアの絶対数が少ないため、働きやすい環境を整えて女性の参画を促すことが、IT業界における切実な課題になっています。